地方国公立や技科大への編入を考えている高専生に向けての記事です。
旧帝大などの最難関大学や、東工大、筑波、電通大などの理系が強い大学では
編入試験の問題のレベルが高く、科目数も数学・物理・英語だけではなく化学も課せられるなど難しいため、この記事で紹介する勉強だけでは足りません。
ご了承ください。(技科大も選択科目で化学があったかな?)
また、あくまで私の経験談です。ご参考程度に。
目次
用意する参考書
- 高校数学I+A、II+B、Cの範囲が含まれている参考書
- 編入数学徹底研究(聖文新社)
※聖文新社は廃業されているらしく、この参考書はもう出版されていません。
代わりに、「徹底研究」作者の桜井基晴先生から金子書房より、「編入の線形代数徹底研究」と「編入の微分積分徹底研究」が発売されています。 - 編入数学徹底演習(森北出版)
I+A、II+B、Cの参考書をやる意味
参考書は、I+A、II+B、Cの範囲が入っていればなんでもOKです。
「高専の数学」でも、白チャートでも良いです。
なぜ必要なのか。
徹底研究、徹底演習ともに、微分積分と行列の範囲は充実しています。しかし、場合の数や確率、三角関数、ベクトル、数列など、数学の基礎的な範囲は徹底研究、徹底演習では学べないからです。
高専のカリキュラムでは、これらの分野を1年生で終わらせ、2年生からの数学の授業は、ほぼ微積(高校数学IIIに相当)しかありません。
そのため、3年生の最後になると1年生で習った分野については大半の高専生は忘れてしまっているのです。
三角関数の各種公式・定理なども覚えているか怪しいのではないでしょうか。
(余弦定理とか積和公式とか)
また、編入試験ではこれらの分野からは「知ってたら解ける」レベルの問題しか出ませんので、この問題を落とすと大変勿体ないのです。
豊橋技科大や長岡技科大でも毎年1題は「場合の数、確率」の範囲が出題されているため高校数学といえど軽んじてはいけません。
黄チャートレベルまでは必要ありませんが、白チャートのセンター問題、発展問題レベルは解けるようにしたほうが良いでしょう。
徹底研究・徹底演習の進め方
どこの大学を受ける方でも、この2つの参考書の
微積、線形、確率、複素解析の分野は全ての問題を答えを見ずに
解答できるようにしましょう。
理系編入なら誰もが使ってきた参考書ですね。
この2つの参考書は、問題の横に、その問題が出題された大学の名前が書かれています。
フーリエ解析、ラプラス変換、ベクトル解析の章を見るとわかるのですが、
この3分野が出題されるのは、ほとんどが旧帝や筑波、電通なのです。
地方国公立では出題される可能性があまりありません。
宮廷・東工大・筑波・電通志望なのであれば勉強すべきですが、
地方国公立志望がこの分野に時間をかけるのは非常にコスパが悪い気がします。
だからといっていざ当日出題されても困りますので、
例題レベルや学校での応用数学のテスト問題くらいは解けるようにしておいた方が良いでしょう。
自分ノートを作れ
参考書は少なくとも3周はすべきです。
1周目:答えを見て理解しながらノートに"自分なりに"解答を書いていく「自分ノート」を作成する。
↓
自分ノートを暗記
↓
2周目:答えを見ずに解答していく。
↓
間違えた問題をリストアップし、自分ノート見て解答を暗記しなおす
↓
3周目:2週目で間違えた問題を何も見ずに解答していく。
リストアップから正解したところにチェックをつける。
あとは理解するまで4周、5周と続けていく。
こうすれば、少なくとも試験当日に問題を見て「意味がわからない」という事態は
防げるはずです。
受験までのスケジュール
理想的には高専3年生が終わるまでに高校数学I+A、II+Bの範囲は理解しておきたいところです。
徹底研究・徹底演習では「自分ノート」の作成に時間がかかります。
両方合わせて2か月くらいはかかるでしょう。
5年生になってからではちょっと時間が厳しいので、
遅くとも4年生の終わりまでには「自分ノート」の作成を終えたいところです。
自分ノートは参考書ごと、分野ごとに作るのをおすすめします。
また、最初に線形代数から手を付けることをお勧めします。
微積よりも解答の手順が画一化されているため、スムーズに進められるので、
自信がつきます。
5年生のGW中には2週目を終わらせ、3週目を完璧にしてから
技科大の入試に臨めるようにすれば安心して受験ができます。